MOMOSHIKI 068
068

この悲しい世界に

もしも生き存えていたならば、

きっと今夜のこの月も

恋しく思い出すんだろうね。

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■ 元歌
心にも あらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな
■ 元歌作者

三条院(976〜1017年)

■ 解説

 三条院は冷泉天皇の第二皇子で第六十七代天皇。30歳半ばで即位したが、在位中に二度も内裏が焼け、左大臣藤原道長の圧力もあり、たった5年で位を退いた。その翌年崩御。三条院はあの藤原道雅(064番)と当子内親王の恋に激怒した人。娘の恋路をじゃましたクソジジィではあるが、実際は彼自身とても悲運な人だった。
 出典は後拾遺集。この歌は譲位を決意した頃に詠まれた歌で、肉体的にも失明に近い状態にあったらしい。悲しいかなこの月は間もなく沈む。

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